インプラント治療で後悔したくない
虫歯の治療を途中のまま、歯医者に行かなくなって1年以上が経ちました。
最近歯がぐらぐらし始めそのまま丸々取れてしまいました。かなり焦っていて治療法を探していますが、インプラントをするしかないと思ってます。
20代ということもあり、インプラントでも後悔したくないのでインプラントで後悔しないために必要な知識などあれば教えていただきたいです。
最初に
歯がなくなってしまった場合の治療としてインプラントをお考えのケースです。
インプラントは自分の歯のように噛めるというメリットが大きい治療ですが、今回歯がぐらぐらになってしまって取れてしまったということもありますので、その辺も踏まえて、インプラントで後悔しないために知っておくべくことをまとめましたので、今後の参考にしてください。
歯がなくなった時の治療法
歯がなくなった時の治療法として、
下記の選択肢があります。
- インプラント
- ブリッジ
- 入れ歯
- 歯の移植
インプラント
インプラントは歯が無くなってしまったところにチタンのネジを埋めて、そこにかぶせ物をいれる治療になり
ます。
ブリッジ
ブリッジは歯と歯を橋渡しにして連結させる方法です。歯がないところの両隣の歯がないとできない治療になりますので、一番奥の歯がない場合は適応になりません。
入れ歯
入れ歯は1本の場合、プラスチックの歯を隣の歯にクラスプという金属の針金でひっかけるものになります。
歯の移植
歯の移植とは、親知らずなどの歯を、歯がなくなってしまった部分に埋める治療になります。
それぞれメリット、デメリットがありますので、表にまとめまるとこのようになります。どの治療が自分にあっているのかを見極めた上で、ゴールを決めていきましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
インプラント | ・固定式 ・しっかり噛める ・他の歯を削ったり、負担をかけずにすむ |
・インプラントが骨とくっつかないことがある ・インプラント自体を埋められないこともある ・外科処置が必要 ・期間がかかる ・費用がかかる |
ブリッジ | ・固定式 ・比較的短期間で治療が完了する |
・噛む効率は自分の歯に比べると60〜90% ・自分の歯を削る必要がある ・ケアが難しい |
入れ歯 | ・歯を大きく削る必要がない ・比較的短期間で治療が完了する |
・着脱式 ・壊れることがある ・噛む効率は自分の歯に比べると低い ・針金がかかる歯に負担がかかる |
歯の移植 | ・自分の歯で噛める ・他の歯を削ったり、負担をかけずにすむ ・比較的短期間で治療が完了する |
・外科処置が必要である ・歯が脱落してしまうことがある ・一生ものとは限らない |
※テーブルは左右スクロールできます。
インプラント | ブリッジ | 入れ歯 | 歯の移植 | |
---|---|---|---|---|
メリット | ・固定式 ・しっかり噛める ・他の歯を削ったり、負担をかけずにすむ |
・固定式 ・比較的短期間で治療が完了する |
・歯を大きく削る必要がない ・比較的短期間で治療が完了する |
・自分の歯で噛める ・他の歯を削ったり、負担をかけずにすむ ・比較的短期間で治療が完了する |
デメリット | ・インプラントが骨とくっつかないことがある ・インプラント自体を埋められないこともある ・外科処置が必要 ・期間がかかる ・費用がかかる |
・噛む効率は自分の歯に比べると60〜90% ・自分の歯を削る必要がある ・ケアが難しい |
・着脱式 ・壊れることがある ・噛む効率は自分の歯に比べると低い ・針金がかかる歯に負担がかかる |
・外科処置が必要である ・歯が脱落してしまうことがある ・一生ものとは限らない |
なぜ歯がなくなったか?
今回は、治療途中のまま放置していたら歯がぐらぐらしてなくなってしまったということですが、これには3パターンの理由があります。
- 歯周病で歯が抜けた
- 虫歯が大きくなって抜けた
- 根の治療を放置して、炎症が大きくなり抜けた
さて、このどのパターンにも共通していることがあります。それは、歯周病にしろ虫歯にしろ、根の先の炎症にしろ、骨がなくなってしまっている可能性が高いということです。
インプラントは骨に埋める治療になりますので、最低限の骨の厚みや高さが必要になります。骨がない場合は、人工的につくってあげる必要があります。また、骨がない場合、一緒に歯ぐきもない可能性があります。そういう場合には歯ぐきの移植なども必要になってくる可能性があります。
インプラント治療について
今回はインプラントを行うにあたって、おそらく人工的に骨を作る必要がある可能性が高いため、骨の作り方について動画にて説明します。下顎なのか上顎なのかで骨の作り方が異なってきますので、それぞれ説明します。
また、合わせて、普通の骨を足さない場合のインプラントの治療方法についても動画を作りましたので、ご覧ください。
通常のインプラント治療
上の骨造成(ソケットリフト)
上の骨造成(サイナスリフト)
下の骨造成
インプラントで後悔してしまうケース
麻痺が残るケース
インプラントで一番後悔してしまうことは、麻痺が残ってその後の生活に支障をきたしてしまうことでしょう。
下顎には、太い神経があります。その神経を圧迫するようにインプラントを埋入してしまいますと、麻酔をうたれたときのような麻痺が残ることがあります。神経質ブロックや温熱療法などで治さなくてはいけなくなります。それでも治らない場合はインプラントを一度除去してから浅く埋入しなおすということも必要になってくる可能性があります。
それでも治らない場合はインプラントを一度除去してから浅く埋入しなおすということも必要になってくる可能性があります。
そのため、当院では、そういったことがないように、よほどイージーケースでない限り、サージカルガイドを用いて手術をおこないます。
サージカルガイドとは
サージカルガイドとは、CTデータを元に、インプラントの埋入位置をコンピューター上でシュミレーションしますが、それ通りに埋めることができる優れものです。形状はマウスピースのような物で、インプラントを埋入する位置にだけ穴が空いているので、位置のずれがなくインプラントを埋入できるのです。
取れてしまうケース
インプラントをせっかく埋入したのに、取れてしまうというのも後悔してしまうケースでしょう。インプラントがとれてしまうのは、歯周病になってしまった、インプラントに無理な力をかけてしまったということが挙げれられます。
歯周病とは、歯を支えている周りの骨が溶けてしまう病気ですが、インプラントも同じようなことが起こります。歯周病を治していないのにインプラントを埋入するとその可能性が高くなったり、手術前後にタバコを吸うなどの行為を行うと、インプラントと骨の結合がおこらなくなります。
そのためにも、しっかりお口全体を診てくれる歯医者さんでの治療を行うのがよいでしょう。また、喫煙歴をきちんとヒアリングするなどの、インプラントと骨の結合にリスクがあることをきちんと手術する前に説明してくれる歯科医院が良いでしょう。
インプラントを長持ちさせるためには
インプラントへの過剰な負担つまり、はぎしりやくいしばり、TCHがあると、インプラントは長持ちしません。これは自分の歯にも同じようなことが言えますが、インプラントを入れた後はとくに、マウスピースをするなどの対策をして、長持ちするようにしましょう。そして、歯周病になっていないかなど、きちんとメインテナンスを受けて、長持ちするようにしていきましょう。
インプラントとインプラントの上物をとめる、中ねじが折れることがあるのですが、インプラントのメーカーが小さいと、何年か経った後にじつはメーカーがつぶれてしまっていて、修理をすることができないということがあります。そういったことを避けるためにも、激安インプラントやマイナーなインプラントは避け、大手メーカーのものを使用している歯科医院でインプラント治療をすることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたか。
今回は歯がなくなった時の治療方法についてと、インプラント治療を後悔しないために知っておくと良いことをまとめました。
骨の量や歯ぐきの量などは様々ですので、必ずしも今回のケースが当てはまるとは限りません。まずは、一度、歯科医院で相談されることをお勧めいたします。
インプラントは埋めて終わりではありません。長持ちさせるために、しっかりメインテナンスのことまで考えておきましょう。