診療案内 歯の保存

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MTM(Minor tooth movement=小矯正)と
CLP(Crown lengthening procedures=歯冠長延長術)
を利用した歯を残す治療

MTMとCLPを説明するまえに、歯科では有名な言葉で『生物学的幅径』という言葉があるので、まずそちらをご理解いただきたいと思います。

生物学的幅径とは?

歯の周りには歯槽骨、歯根膜、歯肉、セメント質といった歯周組織があります。その中で、歯肉は、

①歯と歯肉は強く付着している部分(結合組織性付着)と
②軽く付着している部分(上皮性付着)と
③くっついてない部分(歯肉)があり、

それぞれ約1っmの幅があるとされています。このそれぞれの付着を侵害する位置でかぶせ物などを入れた場合、歯肉に炎症が惹起され、生物学的幅径を維持しようと、歯槽骨の吸収、付着の喪失が発生し、歯周組織の破壊につながります。

また、無理矢理かぶせ物を入れた場合、すぐ外れたり(歯肉の中は防湿、止血が困難なため、接着が不可能なため)、歯が割れてしまい、その果ては抜歯になります。

それを回避するために、歯肉から1mmできれば2mm上に歯がある状態にするために、CLPとMTMを行い、炎症のない健全な歯周組織を維持していきます。

どういう時に行う治療?

・虫歯が重度で歯茎の中に及んでいる、
・外傷などで歯の破折が生じ、それが歯茎や骨のなかにまで達しているといった時に用いられる治療になります。

どんな治療?

小矯正と歯周外科を併用することで、歯周組織を改善させ、補綴物・修復物と適切な関係を築ける。また後戻りも防ぐことができる。
さらに前歯部など、審美的要件が必要な場所において、歯茎のラインを綺麗にしたり、左右一致させたりすることができるのもメリットである。

適応できないものは?

・外科処置ができない
・重度の歯周炎
・修復不可能な歯
・歯内治療の予後不良な歯
・歯根が短く、歯と歯根のバランスが悪くなる歯
・奥歯で、歯根の分岐部が露出してしまう歯

まとめ

生物学的幅径を侵すと、
・歯肉の炎症が続く
・かぶせ物がすぐ外れる
・歯が割れる

そのためCLPとMTMを行い、健全な歯周組織を維持し、長持ちするかぶせ物を入れられる。

期間:
1〜3ヶ月の矯正とその後の歯肉への小手術、2〜6ヶ月待機後にかぶせ物が入ります。

料金:
MTM・CLP合わせて7万円になります。
その後の土台やかぶせ物は保険外治療の物のご選択次第ですが、3万円〜15万円程です。

症例①

カリエス除去し、MTMを行ったのち、補綴を行う

年齢 50代男性
主訴 全体的にチェックしたい
治療
方針
全体的に10年以上前の治療痕で、銀歯の下でカリエスになっています。今回は右上5に限っての方針を記載する。
治療
期間
4ヶ月
費用 ・MTM 100,000円
・ファイバーコア 15,000円
・E-maxクラウン 100,000円

※全て税抜きとなります。

治療前 治療後
治療前
治療後

カリエスを取り除くと、遠心の歯質が歯肉縁下になりました。

治療前 治療後

治療前
治療後

MTM開始直後と、終了後です。フックの位置が変わっているのがわかると思いますが、それが歯が動いた証拠となります。


MTM中。頬側には審美面の回復のために仮歯がついています。
歯からはフック、隣り合った歯にはワイヤーが渡してあります。そこにゴムをひっかけて歯を挺出させます。

症例②

カリエスが保存不可のため、歯を挺出させて保存

年齢 40代女性
主訴 歯が変色してきた
治療
方針
左上2番目の前歯が変色。原因は失活歯であったことと、CRの周囲でカリエスになっていたため、
また、そのカリエスも大きく、このままでは保存が不可能であったため、歯を挺出させて保存することとした。
治療
期間
8ヶ月
費用 ・FBコア 15,000円
・e-maxクラウン 100,000円
・MTM 100,000円

※全て税抜きとなります。

治療前 治療後
治療前
治療後

カリエスが大きく、舌側では歯肉より上に残存歯質がなくなってしまっている。このままではコア、クラウンの接着ができないため、歯を歯肉より上にだすことが重要です。
右の写真では歯肉の上に歯が一周のこり、その上にコアが入っているのがわかります。

左上2は広範囲にわたってCRが充填されているのがわかります。またその周囲に透過像があり、カリエスになっていることもわかります。

治療前 治療後
根の中の薬が十分に充填されておらず、根の先が周りと比べて黒くなっており、炎症があると判断できます。 根の中にしっかりとお薬を緊密に充填しましたが、まだ根の先に黒くなっている部分があります。

治療前

根の中の薬が十分に充填されておらず、根の先が周りと比べて黒くなっており、炎症があると判断できます。

治療後

根の中にしっかりとお薬を緊密に充填しましたが、まだ根の先に黒くなっている部分があります。

左は歯を挺出するために装置をつけた直後です。 右は挺出が終わり、コアをセットしたところです。 歯根の位置が歯冠側によっているのがわかります。


症例③

残根状態になっている箇所があるため歯を挺出

年齢 30代女性
主訴 前歯がとれた
治療
方針
右上2が残根状態になっています。歯の保存をするためには歯を挺出させるしかありません。
治療
期間
9ヶ月(途中、3ヶ月程中断あり)
費用 ・MTM 100,000円
・ファイバーコア 15,000円
・E-maxクラウン 100,000円

※全て税抜きとなります。

治療前 治療後
治療前
治療後

左の写真は歯が歯肉縁上にないのがわかります。右では歯肉縁上に1周にわたって歯牙があるのがわかります。

レントゲンで見ても、右上2では歯質が歯肉縁上にのこっていない。しかし歯根は長いのでMTMの適応症例です。

治療前 治療後
治療前で歯根が長いのがわかります。歯根がある程度長く無いと、MTMは行えません。 MTM終了時のもの。フックが上の金属に接している。また根尖に透過像があるが、歯が動いた証拠です。

治療前

治療前で歯根が長いのがわかります。歯根がある程度長く無いと、MTMは行えません。

治療後

MTM終了時のもの。フックが上の金属に接しています。また根尖に透過像があるが、歯が動いた証拠です。


歯を挺出しているところ。

症例④

義歯の人工歯が磨耗に伴う、前歯の破折

年齢 70代女性
主訴 前歯がとれた
治療
方針
長年使ってきた義歯の人工歯が磨耗し、臼歯部での咬合がすくなくなり、前歯部での接触が強くなったことで生じた前歯の破折なので、義歯も作り変える必要があります。
治療
期間
8ヶ月
費用 ・MTM 100,000円
・ファイバーコア 15,000円
・E-maxクラウン 100,000円
・義歯 600,000円

※全て税抜きとなります。

治療前 治療後
治療前
治療後

治療前で残存歯質がほとんどみられません。

残存歯質はないが、歯根は長いことを確認。

治療前 治療後

治療前
治療後


MTM治療開始時と終了後。右の根尖の透過像が実際に歯が動いた部分。

MTM中。頬側には審美面の回復のために仮歯がついています。
歯からはフック、隣り合った歯にはワイヤーが渡してあります。そこにゴムをひっかけて歯を挺出します。


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