訪問歯科とは、病気やケガなどで通院が困難な場合に歯科医師や歯科衛生士がご自宅を訪問し、歯科治療を受けられるというものです。
訪問先は、介護施設や病院·居宅など生活している場に限られます。デイサービスやデイケア、障がい者通所施設などの寝泊りしない場所は訪問歯科の対象外となります。
同じく自宅に歯科医師が訪問して治療を行うものに「往診」があります。この2つの違いは、往診は応急的に必要とされる治療が行われるものですが、訪問歯科は定期的また計画的にケアをしていくものだということです。
訪問診療とは？
訪問歯科という言葉を聞いたことがある方は少なくないと思います。高齢化社会である日本では、今後ますます訪問歯科が必要とされる場面は多くなっていくと考えられます。
では、訪問歯科とは具体的にどんな制度で、何が可能なのかをご存知でしょうか。
本当は歯科医院へ通いたいけれど、良くわからないという理由で利用していないという方もいらっしゃるかもしれません。
実際に訪問歯科の利用を考えるときに知っておきたいポイントをご説明いたします。
自宅に来てくれるの？
訪問歯科の対象となる方は？
疾病や傷病など身体的·精神的な理由で通院が難しい方が対象になります。
しかし、歯科や口腔外科のある病院に入院している場合は対象外となります。また、他科に通院している方などは主治医と連携して検討する場合もございます。
訪問歯科でどんな治療を受けることができる？
訪問歯科では、具体的にどのような治療を受けることができるのでしょうか。
大きく分けて①歯科診療、②口腔ケアを行うことができます。
①治療や修理
訪問歯科診療でニーズが多い、虫歯や歯周病の治療·抜歯·入れ歯の作製や修理などは、歯科医院で行われているのと同様に実施可能です。
最新機器など持ち運びが難しいものを除き、通院して行う治療とほぼ同じ治療を行うことができます。
②口腔ケア
お身体が不自由、寝たきりなどの場合、歯磨きなどのお口のケアはどうしても疎かになります。しかしお口の中に細菌が繁殖すると虫歯や歯周病だけでなく、誤嚥性肺炎の原因にもなります。
誤嚥性肺炎は命の危険にも繋がる病気です。日頃から口腔ケアを行いお口を清潔に保つことで、こうしたトラブルを予防しましょう。
訪問歯科の対象エリア
保険適用の対象となるエリアは、訪問診療を行う歯科医院から半径16km以内と決められています。16kmを超える場合は保険の適用外となるため、自費治療となります。歯科医院からご自宅までの距離がご不明の場合は、一度お問い合わせください。
出典：「白地図データ（国土地理院）」をもとに医療法人社団まる歯が作成
訪問歯科診療の費用について
上記の通り、対象エリア内での訪問歯科診療には保険が適用されます。
「医療保険」と「介護保険」は併用可能です。介護保険証をお持ちの場合はご提示をお願いいたします。
治療費は医療保険の自己負担額が1割の方は1割、2割の方は2割と通院時の治療にかかる費用と基本的には同じです。
訪問歯科診療が決まってからの流れ
- 現在お困りの状況をできるだけ詳しく伝えてください。
例）〇日前から右下の歯茎が腫れて出血している、何もしなくても痛みがある - 過去の病気、現在の病状、血圧、アレルギー、飲んでいる薬、薬の副作用等ございましたらできる限り細かい情報を伝えてください。
- 保険者証や介護保険被保険者証、あれば負担額減額認定証のご提示をお願いいたします。
- かかりつけの内科の先生やケアマネージャー、訪問看護師のお名前とご連絡先を教えてください。
まとめ
訪問歯科診療は、通院が困難な場合でも歯科診療を受けることができる制度です。お口の問題を通院できないからとそのままにしてしまうと、状況はより悪化しかねません。
また、誤嚥性肺炎などの病気に繋がってしまうだけでなく、お口の中が快適でないと食事も楽しむことができません。
お口から食べることや美味しい食事を楽しむことは、生活の質にも大きく関わるとても大切なことです。
通院が難しくお困りの際は、ぜひ一度お問い合わせください。
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