予防歯科

予防歯科とは

「予防歯科」という言葉は、おそらく多くの方が耳にしたことがあると思います。では具体的に予防歯科とはどのようなことをしているのでしょうか。

この質問に答えられる人はそう多くはないでしょう。皆さんが予防歯科と聞いてイメージすることは「虫歯の予防」と「歯周病の予防」など病気に対する予防のことを連想されると思います。しかしこれらは予防歯科のほんの一部でしかありません。

ここでは、「そもそも予防歯科って何?」や「どんなことしているの?」などについて、説明します。

虫歯の予防方法

歯周病

1. 「予防歯科」って?

「予防歯科」というワードを聞いて皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。子供に対して行われる虫歯の予防をイメージする人、または大人になってから行う歯ぐきのケアをイメージする人、様々なイメージがあるのではないでしょうか。

もちろんそれらのイメージは間違いではありません。子供に対して行われる「フッ化物の応用」や「シーラント」といった治療や成人に対して行われる歯周治療は、予防歯科の根幹と言っても良いと思います。しかし、それだけでは完全な正解と言えないのが、予防歯科の奥深さです。

「予防」とは本来、そもそも病気にならないようにするといった意味合いが強いです。しかし、それだけではなく、それ以上病気が進行してしまうことを防ぐことも予防歯科の重要な役割です。つまり、広い目で見た時に、食べる、話すといった口腔機能を維持すること全般が予防歯科の役割と言えます。

例えば、虫歯になってしまった歯があるとしましょう。それを治療せずに放置していれば虫歯はどんどん大きくなり、やがて神経に到達するようになります。その後、神経の炎症が長期間に及ぶと、神経が壊死(死んでしまうこと)し、根っこの先端に膿の袋を作ります。そして膿の袋は次第に大きくなり、歯を支えている骨は吸収され、グラグラの状態になり、最終的には歯を抜かないといけない状態になります。

このような虫歯の治療に対して行われる予防処置としては、①虫歯にならないようにする処置、②虫歯の進行を抑え、歯を抜くことを予防する処置の大きく分けて2つがあります。

①は皆さんもイメージしやすいフッ化物やシーラントと呼ばれるものを使用した処置です。これらは歯を強くしたり、汚れが定着しやすい溝を埋め、汚れが付きにくい状態にしたりする処置であり、予防処置の代表ともいえます。

合わせて②の処置は神経に到達する前に虫歯を除去し、詰め物をしたり、膿の袋を作ってしまう前に根っこの中身をきれいにしたりする処置がメインです。

このように虫歯を一つ例に挙げても、「予防歯科」の分野はとても広いことがご理解いただけたでしょうか。

2.どんな病気・疾患が対象になるの?

これまで述べた内容で「予防歯科」と一言にいっても非常に奥深く、範囲が広いことがご理解いただけたと思います。では、どのような病気・疾患が予防歯科の治療対象となるのでしょうか。

一般的にイメージされるのは「虫歯」と「歯周病」だと思います。もちろんこれらの2つの病気は顎関節症と併せて、歯科の領域の3大疾患のため、予防歯科の対象かつメインとなる疾患です。しかしながら、日本予防歯科学会のホームページでは「定期管理型予防歯科」としてそれぞれのライフステージごとにメインとなる対象が分けられています。

具体的にはライフステージを①0歳~幼稚園児期、②小学生~高校生、③成人(大学生以上)、④中高年の4つに分類しています。それぞれ

を対象としています。ここからも、「虫歯」と「歯周病」の予防は前世代を通じて予防歯科の対象となり、最も重要な疾患の一つであることがわかりますが、それ以外にも「歯並び」も予防歯科の対象になるのです。

つまり、予防歯科の対象は「全年齢を対象にしたお口の機能に影響を及ぼす疾患すべて」になるわけです。その守備範囲の広さが分かっていただけたでしょうか。

小児歯科

矯正歯科

3. 予防歯科ってどのようなことをしているの? 

1、2の内容で予防歯科がどのようなことなのか、どのような人、病気を対象としているのかについて、お分かりいただけたのではないかと思います。ここでは、より具体的に理解を深めていただければと思います。

先ほども述べましたが、日本予防歯科学科の提唱する「定期管理型予防歯科」ではライフステージによって4つの分類を行い、それぞれ対象となる疾患が異なります。詳しく見ていきましょう。

① 0歳~幼稚園児期

この時期では「虫歯の感染予防」、「歯並び」、「食育」が重要です。

虫歯は細菌感染が原因で起こる疾患です。本来、生まれたての赤ちゃんの口の中には虫歯の原因菌はいません。それが日常生活を送る中で、親から子供へと虫歯の原因菌が感染し、定着してしまいます。その後その原因菌が育ちやすい環境が長時間に及ぶことで虫歯を発症してしまいます。

なかなか世間では知られていないことですが、虫歯の原因菌は親から子供へと感染してしまうのです。そのため、最も虫歯の原因菌が感染しやすいとされる「生後19~31か月」の間は、家族も含めて口の中を常に清潔に保つことが重要になります。日々の口腔ケアはもちろんのこと、定期的に歯科を受診し、自分では取り除けないところまできれいにすることで健康資産の向上にもつながります。

他にも、食を通じて、噛む力を育成したり、虫歯や歯周病になりにくい食事のとり方、顎の骨や筋肉の成長を促したりと「食育」も重要です。これら教育を行うことでより健康な成長を促すことができます。

また、子供の歯並び不正の原因の多くは、口の周りの筋肉低下や悪習癖だと言われています。小さいうちから口の周りの筋肉を鍛えたり、悪習慣を直したりすることで、成長したあとの歯列不正を予防することができます。

小児の予防歯科

② 小学生~高校生

この時期になると幼児期のことに加えて「虫歯・歯周病の予防」が本格的になってきます。具体的には、歯を虫歯になりにくくする「フッ化物の応用」や「シーラント」です。

歯磨き粉などに含まれるフッ化物、いわゆるフッ素には、歯を強くし、虫歯の原因菌が作り出す酸に溶けにくくなる歯を作る働きがあります。また、シーラントは歯にあるくぼみや複雑な溝を埋め、汚れがたまりにくくする処置です。いずれも虫歯予防には絶大な効果があるので、是非とも施してほしい処置です。

それに加えて重要になってくるのが、ホームケアです。日々の歯磨きだけでなく、フロスなどの補助道具を使うことで、汚れが付着しないようにすることが虫歯・歯周病に対する一番の予防処置法です。定期検診の中で、歯科衛生士からその人の特徴に合わせた清掃方法を指導されると思いますが、ご自身で実践されなければ全く意味がありません。自分・家族の健康資産を維持するためにも是非とも実践しましょう。

歯のはえ変わりについて

③ 成人(大学生以上)

成人の約80%の方が、歯周病に罹患しているとされています。なので、歯周病の予防は成人の予防歯科の最重要項目です。歯周病は虫歯と同じように細菌感染が原因で起こります。したがって、ホームケアが何より効果的です。

また、歯周病は歯と歯の間の歯肉から広がっていきます。歯間ブラシ・糸ようじを用いることでプラークを落として清潔な口の中を維持しましょう。また、歯科を定期的に受診することで、自分では発見できない部分に汚れが付いていないか、虫歯が大きくなっていないかなどを確認し、早期発見・早期治療を行うことも重要です。

歯のクリーニング

④ 中高年

多くの日本人は何らかの原因で歯を抜くことがあります。抜いた部分をそのままにしておくと、食べにくい、しゃべりにくいといった症状だけでなく、歯並び全体が崩れたり、顎の調子まで悪くなったりします。

これらの不調を予防するために、失ってしまった部位に入れ歯やブリッジ(いわゆる掛け歯)を入れることで機能の維持が図れます。また、高齢になってくると唾液の分泌量が減少し、菌が増殖しやすくなってしまいます。したがって、より一層虫歯や歯周病の予防に努める必要があります。

入れ歯で後悔しないために

4. まとめ

ここまで述べたように、対象となる疾患は異なるとはいえ、最もベースとなるのはお口の中をきれいに保つことです。そのためにはご自身でのケアだけでなく、定期的に歯科受診を行い、自分に合った歯磨き指導を受けることが大切です。

食べる、話すといった口腔機能を維持するためにも、皆さんのお口の健康資産を維持・増進するためにも是非とも一度、予防歯科を受診してみませんか。どんな些細なことでも構いません。皆さんの受診をお待ちしています。

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