舌苔は口臭の原因になる?

舌苔は口臭の原因になる?

自分の口の中を見たときに、「舌が白くなっている」こんな経験はありませんか?白い舌を見ると、「これは口臭の原因なの?」このような不安を感じてしまうかもしれません。これは舌苔(ぜったい)と呼ばれている汚れや細菌のかたまりで、口臭の原因の一つです。
本記事では、舌苔の原因や対策について紹介します。舌苔が口臭の原因になっていることに不安を感じている方は、是非とも最後までご覧いただき参考にしてください。

舌苔とは細菌のかたまり

舌苔とは、舌の表面に付着した白い苔のようなものです。細菌や食べかすなどが舌の表面に付着し、細菌が増殖して形成されます。

舌の表面には、舌乳頭(ぜつにゅうとう)といわれる細かな突起物があります。その突起物に汚れや細菌が溜まってしまい、苔のように見えます。

舌苔が口臭の原因になる理由

口臭の主な原因物質は、口腔内の細菌が作り出す、揮発性硫黄化合物(きはつせいいおうかごうぶつ)です。揮発性硫黄化合物は、口腔内の粘膜の細胞や食べかす、歯垢(プラーク)などに含まれているアミノ酸を細菌が分解する過程で作り出される物質です。

揮発性硫黄化合物の中でも、特に臭いが強いのが硫化水素とメチルメルカプタンです。卵が腐った臭いや玉ねぎが腐った臭いともいわれており、悪臭を放ちます。

引用元:口臭の原因・実態(厚生労働省e-ヘルスネット)

舌苔ができやすい原因

舌苔ができやすくなる原因は次の6つです。当てはまる条件があれば、舌苔ができやすくなる傾向にあります。

1. 歯磨きが不十分
2. 唾液が少ない
3. 口呼吸が癖になっている
4. 強いストレスを感じやすい
5. 舌の位置が低い
6. 抗生物質やステロイドなどの影響

順番に説明します。

1:歯磨きが不十分

歯磨きが不十分だと食べかすやプラークが残り、口腔内環境が悪くなるため、口臭の原因になります。舌苔は口腔内環境によって大きく左右されるので、食べかすやプラークが口腔内に溜まると舌苔も蓄積されます。

プラークと舌苔は、どちらも細菌のかたまりなので、舌苔による口臭だけではなく、プラークや歯周病による口臭の原因にもなります。

2:唾液が少ない

唾液の分泌量が少ないことによって口腔内が乾燥すると、細菌が増殖しやすい環境を作ります。

唾液は、抗菌作用や口腔内の汚れを洗い流すなどの大切な役割があります。唾液が少ないと汚れは口腔内に残り、細菌が増殖してしまい、舌苔を厚くする原因になるでしょう。

3:口呼吸が癖になっている

口呼吸すると常に口腔内が渇いた状態になってしまい、細菌が増えやすくなります。舌についた舌苔は厚くなり、乾くことで剥がれにくくなるので、舌に定着してしまいます。

4:強いストレスを感じやすい

強いストレスや緊張を感じると自律神経のバランスが乱れてしまい、唾液の分泌量が少なくなります。緊張したときになどに口が渇く経験をしたことのある方も多いのではないでしょうか。

ストレスや疲れが原因で免疫力が下がってしまうと、口腔内の細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまうため、舌苔がつく原因になります。

5:舌の位置

口を閉じたときに正常な位置に舌がない場合は、舌苔がつきやすくなります。口を閉じているときに通常は、舌は上あごについています。舌が上あごに擦れて汚れが落ち、正しい位置にあることで唾液が循環して、舌の表面の汚れが洗い流されます。

舌の位置が下がっていることや舌の位置が正しい位置にない場合は、舌の表面は擦れることがなく、唾液も循環しにくくなるので、舌苔がつきやすくなります。

6:抗生物質やステロイドなどの影響

抗生物質やステロイドなどを長期間にわたって摂取すると、舌苔がつきやすくなることがあります。

抗生物質などの影響によって口腔内の細菌の種類が変わってしまい、カンジダ菌の増殖や黒い舌苔が形成されることもあります。

舌苔を取る方法

舌苔を取るには日常的な舌の掃除がおすすめですが、過度な掃除は舌を傷つけてしまうので注意が必要です。

寝ている間は口腔内が乾燥しやすく、寝起きの朝は舌苔が付着している量が多い時間です。
毎朝1度舌をチェックして、舌苔が気になるときに舌の掃除をしましょう。

舌を傷つけないために舌専用のブラシを使って、鏡を見ながら奥から手前に舌ブラシを動かして汚れを落とします。前から後ろに舌ブラシを動かすと、汚れを飲み込んでしまう可能性があるので注意してください。
舌苔に厚みがあってなかなか取れないときは、舌専用のクリーニングジェルの使用も効果的です。

舌苔は一度に全てを取り除けません。舌を傷つけないよう、数日間かけて少しずつ取り除きます。舌の清掃方法や、清掃グッズについては歯科医院でアドバイスを受けるとよいでしょう。

舌苔を放置するとどうなるのか?

舌苔を放置すると、次のようなリスクが高まります。

  • 口臭が強くなる
  • 虫歯
  • 歯周病
  • 誤嚥性肺炎
  • 味覚障害

舌苔を放置すると細菌が増殖して、強い口臭だけでなく虫歯や歯周病のリスクも高まります。飲み込む機能などが弱くなると、細菌が混ざった唾液が気道に入ってしまい、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。
また、舌の表面の味蕾(みらい)を舌苔が覆ってしまうと、味を感じにくくなります。味蕾は、味を感知する役割があるため、舌苔によって飲食物が味蕾に触れず、おいしいと感じなくなってしまうでしょう。

舌苔の対策と改善

舌苔を放置して厚くなってからでは、なかなか除去できません。日頃からできることを意識して、対策と改善をしていきましょう。舌苔の対策と改善は、次の7つがポイントです。

1. 正しい歯磨き・舌磨き
2. よくかんで食べる
3. 水を飲む
4. ガムをかむ
5. 口呼吸をやめる
6. 喫煙を控える
7. 規則正しい生活を心がける・ストレスに距離をおく

一つずつ説明します。

1:正しい歯磨き・舌磨き

毎食後に歯磨きをして、口腔内の衛生状態を保ちましょう。食べかすや汚れが口腔内に長時間残ってしまうと、細菌が繁殖して歯の表面にプラークを形成します。舌も同様に細菌が繁殖して、舌苔の原因になります。口腔内を清潔に保つことを意識しましょう。

舌苔がたまらないよう、舌磨きも定期的にしましょう。過剰に舌を磨くと傷つけてしまう可能性が高いので、毎朝チェックして汚れのあるときだけ、やさしく舌ブラシで清掃します。

歯のクリーニング

2:よくかんで食べる

よくかんで食べると、唾液の分泌を促せます。唾液の分泌が増えると、唾液の作用によって、口腔内の清掃効果が高まります。かむ回数を自分で意識することや、歯応えのある食材を使用するなど、かむ回数が増えるような工夫を取り入れることもおすすめです。

3:水を飲む

唾液によって口腔内は乾燥しないように保たれていますが、ストレスや緊張、口呼吸などのさまざまな原因で口が渇きます。その際は水を飲んで、口腔内を潤すようにしましょう。

水を飲むことによって、口腔内にある汚れを流し、唾液の分泌を助ける水分を補給できます。

4:ガムをかむ

唾液の分泌を促すために、ガムをかむことも有効です。よくかむと唾液腺が刺激され、唾液の分泌量が増えます。

注意点として、糖分が含まれているガムでは、舌苔を増やす原因になってしまうので、キシリトールやフッ素が配合されたガムを選択しましょう。
歯科医院で取り扱っている、キシリトール100%のガムがおすすめです。

5:口呼吸をやめる

口呼吸をやめると、口腔内の乾燥を防げます。アレルギー性鼻炎などの問題がなくても、癖で口呼吸しているケースがあります。意識して口呼吸していないのか、確認するようにしましょう。また、口周りの筋肉を鍛えることで、自然に口を閉じられるようになることもあります。

アレルギー性鼻炎などによって鼻で呼吸できないケースや歯並びの乱れによって口が閉じにくく、口呼吸になってしまうケースがあります。口呼吸の原因は、それぞれ異なります。心配な方は歯科医院で相談してみましょう。

6:喫煙を控える

タバコに含まれている成分のタールはネバつきがあり、歯と舌に付着します。
細菌や汚れが付着しやすくなるので舌苔がつき、落ちにくくなります。

また、タバコに含まれているニコチン成分は、唾液の分泌量を減らしてしまう働きがあるので、喫煙は避けるのが望ましいでしょう。

7:規則正しい生活を心がける・ストレスに距離をおく

不規則な生活を送っていると自律神経のバランスが乱れてしまい、唾液の分泌量に影響します。十分な睡眠をとることや栄養バランスのよい食事など、規則正しい生活を心がけましょう。
また、強いストレスや緊張を感じることも唾液の分泌量に影響します。日常生活で強いストレスを感じている場合は、可能であればストレスを感じる原因から意識的に距離をおきましょう。ストレスから距離をおくことが難しい場合は、自分がリラックスできる方法を考えましょう。

予防歯科で口臭対策はできる?口臭は原因ごとに対処しよう

口臭が気になったら歯科医院で相談しよう

口臭が気になったら、まずは歯科医院で相談してみましょう。
口臭の原因には、舌苔や虫歯、歯周病、全身疾患などさまざまな原因がありますが、口腔内に問題のあるケースがほとんどです。それぞれ口臭の原因は違うので、まずはどのような原因で口臭が発生するかを知ることが大切です。
そのため、歯科医院での相談が口臭を低減させる近道といえるでしょう。

まとめ

舌苔は口臭の原因の1つです。

舌苔をそのまま放置すると、口臭だけではなく虫歯や歯周病などのリスクも高まります。舌苔が付いてしまう原因には、適切な歯磨きができていないことや口腔内が乾いているなどのさまざまな理由があります。

改善策や対策を参考にしていただき、日常生活で少しずつ意識して実施してみましょう。

当院でも口臭についての相談をお受けしています。原因を突き止め、口臭の改善・対策をしていきましょう。
口臭について悩んでいる方は、是非ともお気軽にご相談ください。

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