乳歯も永久歯のように、虫歯が大きくなれば抜歯の対象となります。
歯には空いたスペースに向かって徐々に倒れていくという特徴があり、スペースがある状態で放っておくと両サイドの歯が動きだします。乳歯の場合も同じで、はえ変わりの時期よりもだいぶ前に抜けてしまうと、両サイドの歯が倒れてきて、永久歯がはえるための充分なスペースがなくなります。
その結果、永久歯がズレてはえてきてしまい、更に隣接する歯にも影響し、全体の歯並びが悪くなります。
多少の個人差はありますが、基本的に一番初めにはえ変わるのは下の前歯です。6歳頃に下の前歯が抜け、ほぼ同時期に6歳臼歯と呼ばれる乳歯の時期にはない一番奥の歯がはえてきます。 乳歯がない奥の歯ぐきが盛り上がってきたら、そのサインだと思ってください。
7歳を過ぎる頃に、上の前歯がはえ変わります。前歯より後ろの部位は8~9歳頃に順番にはえ変わり、14歳頃には全ての歯が永久歯になります。
人によっては時期が少し早かったり、逆に遅くなる場合もありますが、どちらも過度な心配はいりません。
患者さまの中には「乳歯ははえ変わるから、虫歯を放置しても大丈夫」とお考えになる方がいらっしゃいます。
しかし実際は、乳歯の虫歯は永久歯に影響するため結果的に損をすることが多く、もっと気を付けていればと後悔する方も珍しくありません。
では、一体どのような影響があるのでしょうか?
乳歯が虫歯になると、以下のトラブルが起こりやすくなります。
乳歯も永久歯のように、虫歯が大きくなれば抜歯の対象となります。
歯には空いたスペースに向かって徐々に倒れていくという特徴があり、スペースがある状態で放っておくと両サイドの歯が動きだします。乳歯の場合も同じで、はえ変わりの時期よりもだいぶ前に抜けてしまうと、両サイドの歯が倒れてきて、永久歯がはえるための充分なスペースがなくなります。
その結果、永久歯がズレてはえてきてしまい、更に隣接する歯にも影響し、全体の歯並びが悪くなります。
乳歯の虫歯が神経まで達した場合、乳歯の下で成長途中の永久歯に影響を及ぼします。
他の歯に比べて形が崩れていたり、変わった色の永久歯がはえることがあり、色はクリーニングやホワイトニングで治すことはできません。
綺麗に見せるにはかぶせ物をする必要があります。
乳歯が虫歯になると、永久歯とは別に以下のトラブルが起こりやすくなります。
歯が痛いときは、刺激の強いものや沁みやすいもの、硬いものを避ける傾向にあります。
乳歯の虫歯は進行しやすく、痛みを伴うまでの時間は永久歯ほど長くはありません。もし、今まで食べていたものを避けようとする場合は、虫歯の痛みを我慢していないかを確認しましょう。
過去、歯に痛みを感じて急遽歯科医院に行って治したという経験があれば、その時に「歯の治療は痛い」という誤った認識を持ってしまった可能性があります。
治療を受けたくないあまり、痛みを感じても素直に伝えない、我慢をして食事をするという子は意外と多く、その結果偏食になってしまうケースもあります。
顎の発達時期に虫歯があると、上手く噛めずに顎の発達に支障をきたす場合があります。
顎の骨やその周囲の筋肉は、しっかり噛むことで鍛えられ、強くなっていきます。
しっかり噛めない状態が長ければそれだけ成長が止まるため、顎やその周辺に関するトラブルが将来起こりやすくなります。
虫歯の数が多ければそれだけ、お口の中の菌は多くなります。
菌が多くなると、そのぶん虫歯は発生しやすくなり進行も速まるため、健康だった歯も次々と虫歯になっていきます。
乳歯で虫歯だらけだった場合、永久歯になっても虫歯が発生しやすい環境は変わりません。
歯みがきの癖や食べ物の好みなどはなかなか変えることができないため、早めに正しい磨き方を身につけ、定期検診に慣れさせておくことをおすすめします。
歯をぶつけてしまったときの状態により、対処法は異なります。冷静に対処できるよう覚えておきましょう。
少しのグラつきなら経過観察になることが多いのですが、大きくグラつく場合は、両サイドの歯と固定させる必要があります。
固定させることでグラつきは徐々におさまっていきますので、心配はありません。
しかし、根っこの状態は外からでは分からないため、受診しレントゲン写真で確認することをおすすめします。
しばらく放置したら色が変わってきたという場合は、ぶつけた衝撃で神経が死んでしまった恐れがあり、神経を取る処置が必要です。
死んだままの神経をそのまま放置すると、根尖病巣という根っこの先に膿ができる病気が発症する恐れがあるため、早めに受診することをおすすめします。
ぶつけて抜けてしまった場合は、それがはえ変わりの時期で元々グラついていた乳歯であればそこまで問題はありません。
しかし、早すぎるタイミングで抜けてしまったり、永久歯であればすぐの対応が必要です。
牛乳につけた状態で歯科医院に持っていきましょう。
流水下で洗ったり、特に擦り洗いは絶対にしてはいけません。理由は、根っこの周囲にある歯根膜という組織を洗い落としてしまうと元に戻せなくなるからです。
付着した埃や砂が多い場合は軽く洗い流す程度で、落ちないものは無理に触らないでください。
乾燥させるのも良くないため、必ず牛乳や、無ければラップに包むなどし、なるべく早く歯科医院へ持っていくようにしましょう。
乳歯の色が茶色や黄色の状態で生えてきた場合は、エナメル質形成不全かもしれません。
エナメル質形成不全とは、歯の表面を構成するエナメル質が、さまざまな原因で先天的に障害をうけて、綺麗に成長しないまま完成してしまった状態です。
決して珍しいものではなく、乳歯がエナメル質形成不全でも永久歯がそうなるとは限りません。
中には、通常よりも歯の質が弱い場合があるため、虫歯にならないよう定期検診や正しい歯磨き方法を身につけることをおすすめします。
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