小児の虫歯予防

小児の虫歯とその影響

小児期における虫歯は、どのようにして発生するのでしょうか。お口の中には数多くの細菌が存在します。

特に歯垢と呼ばれる歯の表面についた汚れには非常に多くの細菌が潜んでいます。
この細菌は食事により摂取した糖分をエネルギーとして酸を作り出し、その酸が歯を溶かしていきます。

歯が溶かされてしまう状態を虫歯と呼びます。歯の表面のエナメル質から虫歯が発生し、悪化すると内部にまで虫歯が進行し、歯の神経にまで感染が及ぶこともあります。

小児の虫歯が進行することでさまざまな影響を受けることが考えられます。

・痛みと不快感

虫歯が進行すると歯がしみる、噛むと痛いなどの症状が現れることがあります。
それだけでなく、冷たいものや甘いものに敏感になることや何もしていなくても激しい痛みを感じることもあります。

このような症状を感じると食事を楽しむことは困難になり、噛むことでさえ難しいケースもあります。

・勉強や行動への影響

痛みや不快感がある場合には、勉強や行動など物事に集中することが難しくなります。特に激しい痛みが続くと注意力が散漫になることが考えられ、十分な睡眠が取れなくなることもあります。

睡眠不足が続くと日常生活にも支障をきたしかねないため、そうなる前に歯科医院で診てもらうと良いでしょう。

・咀嚼、顎の発達

虫歯が進行すると、その歯で噛むと痛みが出るなど上手に噛めなくなることがあります。
そうすると痛くない歯で噛もうと咀嚼に偏りが生じやすくなります。噛むことそのものが苦痛に感じると食事を避けてしまう恐れもあります。

虫歯によって噛めなくなると噛む回数が減り、柔らかいものを好むようになります。ものによっては丸飲みしてしまうこともあるでしょう。
すると大切な成長期にも関わらず、顎の発達に影響が出てしまう可能性があります。

・偏食になる

噛んだ時に痛みを感じるとなるべく噛むことを避けようとします。

進行すると何もしなくても痛みを感じるようになり、食べることそのものが難しくなるでしょう。固い食べ物を避け、柔らかいものばかりを食べるようになります。
それすら難しい場合には少しでも何か口にしようと飲み物を摂取するようになるでしょう。

どうしても食べ物に偏りが出てくると栄養不足や成長の遅れの原因となってしまう可能性もあります。

・永久歯への影響

乳歯はいずれ永久歯に生え変わるから虫歯になってもそのままで大丈夫と考えてしまうのは危険です。
歯が生え変わる小児期に虫歯が発生すると、一生使い続ける永久歯が虫歯になってしまうリスクが高まります。お口の中で虫歯のリスクとなる細菌が乳歯、永久歯問わず付着することでどの歯でも虫歯になる可能性があります。

また、虫歯によって歯に穴があいたり、早めに乳歯を抜いたりすると隣り合っている歯の支えがなくなり歯が傾いてくることがあります。

乳歯には永久歯がしっかり生えてくるまでのスペースを保つ役割もあるため、虫歯による乳歯の喪失で永久歯が生えてくるスペースがなくなってしまう恐れがあります。

乳歯の虫歯が進行し、根の先に膿が溜まるとその下から生えてくる予定の永久歯が傷ついてしまうこともあります。歯の表面に変色が見られ、でこぼこした見た目となってしまうこともあります。

小児歯科

小児の虫歯予防の重要性

小児の虫歯予防には、一人ひとりに合った適切なケアやバランスの取れた食事、そして定期的な歯科検診などが重要です。一般的に乳歯は永久歯と比較して虫歯になりやすいとされています。そのため、永久歯以上にしっかりとケアすることが大切です。

永久歯と比べて虫歯になりやすいとされている理由にはいくつかあります。

・エナメル質の薄さ

乳歯のエナメル質は、永久歯のそれよりも薄い傾向があります。エナメル質は歯の中でも一番硬い表層の部分を指しますが、これが薄いと酸や細菌による侵害を受けやすく、虫歯になりやすいといえるでしょう。

・歯磨きの難しさ

小さな子どもは、歯磨きのスキルが不完全であることがあります。自分一人で磨くだけでは不十分なことも多く、保護者による仕上げ磨きが重要です。

歯磨きが十分にできていないと磨き残しがあったり、歯垢や歯石が溜まりやすくなってしまったりします。
これらは細菌の塊で、しっかり除去ができないと虫歯になりやすい環境を作り出してしまいます。

・食習慣

虫歯の原因のひとつでもある糖分の摂取には注意が必要です。お口の中に糖分がある状態が長く続くと虫歯のリスクが高まります。チョコレートや甘いジュースなど糖分の多い食習慣はなるべく避けると良いでしょう。
また、時間を決めずにだらだら食べることでお口の中が常に酸性に傾きやすく、虫歯になりやすい状態となってしまいます。おやつや間食は栄養のためにも大切なものですが、時間を決めて何を食べるかがポイントとなります。

年齢別の注意点,予防方法

歯の発育と位置

乳歯は永久歯が成長するためのスペースを確保する役割を持っています。

しかし歯の位置や発育によって歯がきれいに並ばなかったり歯が前後していると歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなったり歯磨きがしづらいなど虫歯のリスクが高まることがあります。

歯のはえ変わりについて

小児期の虫歯を避けるには

小児の虫歯を予防するにはいくつかの大切なポイントがあります。

・適切な歯磨き習慣

小児期の虫歯予防の基本は、適切な歯磨き習慣の確立です。子どもが歯磨きを楽しむことはとても大切です。

歯磨きの際は、子どもが喜ぶような歯磨きグッズを使ったり、楽しい歌を歌ったりすることで歯磨きが楽しくなります。歯が生え始めたら適切な歯磨き習慣を取り入れ、成長に合わせて使用する歯ブラシや歯磨き粉などを変えていくと良いでしょう。

また、小児期に子ども一人で歯磨きを隅々まで行うことはまだ難しいため、保護者が一緒になって歯磨きを行うことも大切です。永久歯に生え変わる小児期は、虫歯になりやすい生えたての歯があることや乳歯が抜けて隣り合う歯がない状態など歯磨きが難しい時期でもあります。保護者による仕上げ磨きが非常に大切で、しっかり観察をしながら歯を守っていけると良いでしょう。また、一緒に歯磨きを楽しむことで学びながら習慣化していけると良いでしょう。

・フロスの使用

歯ブラシだけでなく、フロスを使って歯と歯の間の歯垢や食べかすを取り除くことも重要です。歯と歯の間は、歯ブラシだけでは汚れを落とすのが困難なため、フロスの使用はとても大切です。

また、虫歯になりやすい部位でもあるため、細菌の蓄積をなるべく避けるためにもフロスを使うようにしましょう。子ども用のフロスを使用するのも効果的です。

・健康的な食習慣

バランスの取れた食事

栄養バランスの取れた食事は、虫歯予防に繋がります。特にカルシウムやビタミンDを含む食品を摂ることで歯や骨の発育をサポートします。

糖分に気をつける

おやつ選びも虫歯予防に繋がります。
虫歯の原因となる糖分を過度に摂取すると虫歯のリスクを高めてしまいます。
甘いジュースや飴、チョコレートなど糖分を多く含んだお菓子を摂りすぎないようにし、果物や野菜、おにぎりなどの健康的なおやつに代えてみると良いでしょう。

食べる時間を決める

虫歯は細菌が糖分をエネルギー源として酸を作り出し、歯を溶かしていく病気です。
糖分がお口の中にある状態が長い時間続くとお口の中が酸性に傾き、虫歯になるリスクが高まります。
つまり時間を決めずにだらだら食べ続けてしまうと常に虫歯のリスクが高い状態となってしまいます。おやつや間食は、食べる時間を決めて食べ続けることのないようにすると良いでしょう。

・定期的な歯科検診

早期発見

定期的に歯科医院で検診を受けることで気付きにくい初期の虫歯や歯のトラブルを早めに発見することができます。
定期的に通うことでお口の中の小さな変化にも気付きやすく、治療するべきか経過観察するべきかの判断がつきやすくなります。
歯科医院で専門家に診てもらうことで日頃の歯磨きや食習慣などを改めて見直すきっかけにもなります。

フッ素塗布

フッ素を塗布すると歯の表面のエナメル質が強くなり、虫歯の進行を防ぎます。
初期段階の虫歯や虫歯になりかけの状態にはフッ素塗布を行い、歯質を強化することで虫歯になりかけた部分を修復する効果があります。

歯科医院では高濃度のフッ素を塗布することが可能で、定期的に塗布することで歯を守ることができます。
市販の歯磨き粉にもフッ素が含まれているものがたくさんあり、家庭でも身近に虫歯予防に努めることができます。

・家庭での取り組み

楽しい歯みがきの環境作り

歯磨きをしなくちゃいけない!やらなくちゃ!という認識ではなく、楽しい活動だと意識させることで歯磨きの習慣が身につきやすくなります。

例えば歯磨きの歌や動画などを見ながら楽しく歯磨きをしてみたり、お気に入りのキャラクターの歯ブラシを使ってみたりするなども効果的です。保護者が歯磨きを楽しくしているところを見せると子どもも一緒になって楽しんでくれることもあります。

初めての歯医者さんはいつ頃?

習慣づけのサポート

歯磨き習慣を定着させるために、食後には必ず歯磨きをするなど毎日の規則正しい環境を作ることが大切です。外出先など歯磨きが難しい場合には、お水やお茶でうがいをさせるとお口の中の細菌を少しでも減らすことができます。
また、歯磨きが上手にできた際にはしっかりと褒めてあげることで、子どもが自発的に歯みがきを行うように促します。

乳歯と永久歯が生え変わる小児期は、歯の成長にとってとても大切な時期となります。大人の歯以上に虫歯のリスクが高くデリケートなため、しっかりとケアをすることが欠かせません。
虫歯にならないために今日から始められることがたくさんあるので、少しずつ取り組んでいけると良いでしょう。子どものお口のケアに積極的かつ継続的に取り組むことと、歯科医院でプロによるケアも受けながら健康な歯を維持するための努力を続けることが大切です。

今すぐ予約したい方
03-3505-4618電話受付9〜19時半(土日は17:30まで)
3日以降のご予約
WEBから予約24時間受け付けております。

麻布十番歯科・矯正歯科は
痛みに配慮した、
コミュニケーションにあふれる歯医者です。

診療時間
9:00〜13:00 -
14:00〜19:30 - - -
14:00〜17:30 - - - - -

※平日最終受付は19:00まで
※土日の最終受付は17:00まで
[休診日]水曜・祝日

AED
TEL:03-3505-4618
地図

〒106-0044 東京都港区東麻布3-8-8 明商ビル1F
大江戸線 麻布十番駅 6番出口より徒歩10秒
南北線 麻布十番駅 6番出口より徒歩10秒
Google マップを開く >