小児矯正の
最適なタイミング

はじめに

「子どもの矯正はいつから始めるの?」「子どものうちから矯正を始める目的は?」お子さまの歯並びの状態が気になっている親御さまの中には、このような疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。小児の矯正治療は、年齢に合わせたタイミングや目的があります。
本記事では、小児の矯正治療を始めるタイミングや目的、矯正方法について紹介します。お子さまの矯正治療について悩まれている方は、是非とも最後までご覧ください。

子供の歯
矯正歯科

小児の矯正治療を相談する時期とタイミング

親御さまから見て、「歯並びが気になるかも」そう感じた時は、矯正歯科で相談してみましょう。口腔内の状況は、それぞれ異なるため「何歳から相談してください」とは断言できないからです。子どもの成長に合わせて、適切なタイミングで治療を進めていくことが大切です。

小児矯正を始めるタイミングは、次の3つの時期に分けられています。

第0期治療と第1期治療は顎の骨の成長を促すことに重点を置いており、第2期治療では、はえそろった永久歯の歯並びを整えます。
次の項目から、第0期治療・第1期治療・第2期治療のタイミングや目的、矯正方法について解説していきます。

第0期治療(3歳〜5歳頃)の目的とタイミング

3歳児健診で受け口を指摘された場合や「歯や顎が心配だけど、矯正が必要なのかわからない」このように悩まれている方は、まずは歯科医院で相談してみましょう。


初めての歯医者さんはいつ頃?
小児歯科検診

第0期治療:タイミング

第0期治療の対象年齢は、3歳〜5歳頃の乳歯の時期に行います。受け口や横ずれなどの症状によっては、早めに矯正治療を進めたほうがよいケースもあります。

受け口とは、下の歯が上の歯よりも前に出てしまい、かみ合っていない状態をいいます。横ずれとは歯の中心が、左右どちらかにずれている状態をいい、歯がずれているケースと、顎歪んでずれているケースがあります。

第0期治療:目的

歯並びを整える治療ではなく、間違った舌の位置や口呼吸などを改善して、正常な顎の発達や歯並びへ導くことを目的としています。

また、歯並びに悪影響を及ぼす癖や習慣を改善して、正しい歯並びを維持できるような環境作りをしていきます。

指をしゃぶる男の子

第0期治療:矯正方法

矯正装置にはいくつかの種類があり、それぞれの口腔内の状態に適した装置を使用して、治療を進めます。第0期治療で使用する装置は、第1期治療でも使用されます。ここでは、第0期治療の代表的な装置を紹介します。

◼︎マイオブレース(T4K)

取り外しのできる、マウスピース型の矯正装置です。
顎の成長を促し、自然な歯のはえ変わりを助け、口周りの筋肉を正しく使えるように改善します。また、舌を正しい位置に自然に誘導する効果もあります。

毎日自宅で1時間〜2時間ほどの着用と就寝時に毎晩装着が必要です。

透明なマウスピース

◼︎ムーシールド

ムーシールドとは、受け口を改善するマウスピース型の矯正装置です。口周りの筋肉のバランスを整え、正常な噛み合わせへ改善し、舌を正しい位置にする効果も期待できます。毎晩就寝時に装着します。

第1期治療(6歳〜12歳頃)の目的とタイミング

第1期治療では、永久歯がはえるスペースを確保するとても大切な時期です。

第1期治療の治療を経て、永久歯がきれいに生え揃うスペースがしっかり確保されている場合など、第1期治療のみで終了になることもあります。

子供達

第1期治療:タイミング

第1期治療は6歳〜12歳頃の、乳歯と永久歯が混合している時期に行います。一般的には7歳〜8歳ごろに矯正治療を始める方が多いといわれています。
しかし、歯や顎の成長は一人ひとり異なるので、適切な開始時期を歯科医師が判断します。

第1期治療:症状

受け口や出っ歯、歯並びの乱れ、かみ合わせが深い、歯ぐきや骨に歯が埋まっている、顎が小さくて永久歯のスペースがないなど、さまざまな症状があります。

乳歯では歯並びの乱れはなくても、永久歯がはえ始めると歯並びが悪くなることがあります。乳歯に比べて永久歯は大きいため、正常にはえるためには十分なスペースが必要です。

前歯が欠けた子供の歯

第1期治療:目的

第1期治療の目的は、きれいな歯並びの土台を整えることです。成長を利用して顎の骨を拡大させ、永久歯がきれいにはえるスペースを作り、きれいな歯並びになるよう誘導します。また、成長を妨げてしまう悪い癖なども改善して、口周りの筋肉の働きや舌の位置を正常にします。

第1期治療で永久歯のはえるスペースを確保できれば、第2期治療に進んだときに抜歯のリスクを低減できます。

第1期治療:矯正方法

第1期治療では、顎の成長を利用して顎の幅を拡大できます。顎の成長が終わってしまった後では、拡大はできません。

第1期治療で使用される矯正装置は、多くの種類があります。矯正装置を口腔内から取り外せる装置・口腔内に固定する装置・口の外につける装置の3種類に分けられます。1種類の装置を使うケースと複数の装置を組み合わせて使うこともあります。ここでは、一部の矯正装置について紹介します。

◼︎拡大床(取り外しできる装置)

拡大床とは、ワイヤーやプラスチックのプレートで作られた、取り外しのできる装置です。

歯が並ぶスペースがない場合に、頬側に歯を移動させてスペースを確保します。1日に12時間〜15時間ほど着用が必要です。

歯列矯正器具

◼︎急速拡大装置(口腔内に固定する装置)

急速拡大装置は顎の骨を拡大するのに使用される、取り外しのできない矯正装置です。

上顎全体を左右に拡げることを目的として使用します。歯が並ぶスペースが不足している場合、急速拡大装置を使用して、スペースを確保します。
拡大床では歯を動かしますが、急速拡大装置では、顎の骨を動かします。

ワイヤー矯正中の口腔内

◼︎フェイシャルマスク(口の外につける装置)

受け口を改善するのに使用される矯正装置です。フェイシャルマスクは、額と顎に取り付けた装置と、口腔内の装置をゴムで繋ぎます。
上顎を前に引っ張るためのワイヤーがついており、下顎の動きによって上顎を前に押して成長を促します。毎日12時間以上装着が必要です。

第2期治療(12歳前後以降)の目的とタイミング

ある程度歯並びは整ったけどより美しく歯並びを整えたいと考えている方や第1期治療では改善できなかった歯並びは、第2期治療へ移行します。
第1期治療の期間が過ぎてしまった方は、第2期治療から始めます。

第2期治療:タイミング

第2期治療は、永久歯がはえ揃った12歳前後から始められます。第2期治療からは、永久歯が揃っているので、歯並びを整える大人の矯正治療と同じです。
そのため、永久歯が揃っていれば、いつからでも治療を始められます。しかし、成人以降に歯列矯正するよりも、中高生の時期は顎の骨の代謝が活発なので歯が動きやすくなります。

第2期治療:目的

第2期治療では、永久歯の歯並びを整え、仕上げの矯正をしていきます。
見た目の美しさやかみ合わせなどの機能面を改善します。

第2期治療:矯正方法

第2期治療では大人の矯正方法と同じです。代表的なワイヤー矯正とマウスピース矯正を紹介します。

◼︎ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は一般的な矯正方法です。歯にブラケットと呼ばれる器具を装着し、ブラケットにワイヤーを通して歯に力を加えて、歯を動かす方法です。
ワイヤー矯正は、対応できる症例が多いメリットがあります。その一方、矯正装置が目立ちやすいデメリットがありますが、最近では目立ちにくいホワイトのワイヤーやブラケットがあります。また、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着して、装置が見えないようにする裏側矯正があります。

ワイヤー矯正中の前歯

◼︎マウスピース矯正

マウスピース矯正は複数のマウスピースを作製し、適切なタイミングでマウスピースを交換して歯を動かす矯正方法です。マウスピースは透明で目立ちにくいので審美性がよく、自分で取り外しできるので食事や歯磨きしやすいメリットがあります。しかし、対応できる症例は比較的軽度な症例に限られています。

マウスピース矯正
ワイヤー矯正とマウスピース矯正との違い

子どものうちに矯正治療するメリット

子どものうちに矯正すると、顎の発達を利用しながら歯を動かせます。そのため、上下の顎のバランスを整えることや、顎の幅を拡大して、永久歯がはえてくるスペースを確保できます。その結果、スペースを確保するための抜歯の可能性が低くなり、短い期間で歯並びを整えられるでしょう。

個人差はありますが、歯並びの悪さにコンプレックスを感じてしまうこともあります。歯並びが整うことは、自分の笑顔に自信を持てることにつながります。

子どものうちに矯正治療するデメリット

取り外しのできない矯正装置を装着している場合、丁寧な歯磨きでしっかりケアしなければ、虫歯リスクが高まります。歯ブラシが届かず、磨き残しが多くなるためです。毎日の歯磨きと歯科医院での定期的なクリーニングを受けるとよいでしょう。

矯正治療を始める時期や歯並び・顎の状況によって異なりますが、治療期間が長くなることがあります。特に顎が原因で歯並びに影響が出ている場合は、治療期間が長くなります。また、矯正装置をつけることや長い矯正治療期間は、お子さまのストレスになる可能性があります。

小児矯正!悩める子どもの歯並びに

まとめ

小児の矯正治療は、成長の段階に合わせて大きく3つに分けられ、目的が異なります。

歯並びや顎の状態は人それぞれ異なるので、適切な開始時期は断言できません。矯正治療が必要だった場合、第1期治療までは成長中の子どもだからこそ受けられる矯正治療です。
適切なタイミングを逃さないよう、まずは歯科医院での相談をおすすめします。

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