- 歯の外形を縮小した形を示す。三角形、ロート状、棒状である。
- 根尖側1/3から根尖端に向けて細くなっている。
- 隣接面からみた根管は、唇側面からみた根管より幅広い。
- 根管は根管口から根尖孔までまっすぐとは限らず、根尖付近で少し湾曲している。
歯の根の内部

上顎切歯の中身

下顎切歯の中身
- 歯の外形を縮小した形を示す。細い三角形、ロート状、棒状を示す
- 中央1/3から根尖に向かって著しく細くなっている。
- 隣接面からみた外形は幅広い紡錘形を示す。根管は根管口から中央1/3まで幅広く、根尖側1/3で細くなっている。
- 根尖孔は根尖端とは限らず、根尖孔からそれたところにも開口する。
- 2根管性が20%存在。

上下犬歯の中身
- 歯の外形を縮小した形で、細長い紡錘形を示す。
- 唇側面からみた根管は、歯頸側直下は少し幅広い。
- 隣接面からみると、唇舌径の大きな紡錘形を示し、歯頸側直下で唇舌的に幅広い。

上顎小臼歯の中身
- 歯の外形を縮小した形。頬舌面からみると棍棒状で、隣接面からみると髄室は幅広く、根管は細い。
- 2根管性が多く認められる。
- 第一小臼歯では完全分岐根管の他に、不完全分岐根管、網状根管が第二小臼歯よりも多く認められる。
- 根管は根尖側1/3で細く、根管の尖端は頬側および舌側に湾曲することが多い。

下顎小臼歯の中身
- 歯の外形を縮小した形。
- 頬舌面からみると棍棒状で幅狭い。
- 隣接面からみると歯頸線直下で幅広く、根尖側1/3で細くなっている。
- 根管の尖端は根尖にまっすぐ向かうものと、湾曲するものがある。
- 根管の形態は単純根管および根尖分岐が多く認められる。また、一部には網状根管が認められる。

上顎大臼歯の中身
- 歯の外形を縮小した形。
- 髄室角は近心頬側で最も鋭く突出する。
- 根管数は3〜4根管、あるいは2〜1根管認められる。
- 頬側根管は細く彎曲するものから幅広いものまで認められる。
- 近心頬側根管では2根管が50%存在する。

下顎第一大臼歯の中身
- 歯の外形を縮小した形。
- 髄室角は近心側ほど鋭く突出。近心舌側は近心頬側より鋭く、高く突出している。
- 根管数は2〜4根管
- 近心根は頬舌的に分岐した2根管性(80%)が多く、遠心根は1根管性(70%)が多く認められる
- 根尖孔付近は強く狭窄されて細く、小さく彎曲していることが多い。

下顎第二大臼歯の中身
- 歯の外形を縮小した形。
- 髄室角の突出は第一大臼歯より弱い。
- 根管の数は2〜4根管で通常は3根管が多い。近心根は2根管性(70%)、遠心根は1根管性が多い。
- 頬側根管は細く彎曲するものから幅広いものまで認められる。
- 隣接面からみると、舌側根管は舌側に凸彎し、頬側根管は頬側に凸彎している。

下顎第二大臼歯の中身
- 歯の外形を縮小した形。
- 髄室角の突出はさらに弱くなる。
- 頬側面からみると、近心根の根管は近心側に向かって弧を示し、根尖側1/3では強く遠心に彎曲する。遠心根はまっすぐのものや、遠心に弱く弧を示すもの、根尖側1/3が強く遠心に彎曲するものが認められる。
- 根管数は2〜4根管で、2根管が多い。

実際の下顎大臼歯の中身
これは下顎大臼歯を歯の神経に達するまでの穴をあけて真っ二つに割ったものです。根の先端にいくほどカーブしているのがわかりますね。

治療の実際
左の根の中にファイルという根の中を掃除する器具を入れています。器具をこのように入れていきます。この器具の先端は実は0.015mmという細さなのです。
写真は拡大してますのでそうは見えませんが、肉眼での治療はなかなか難しいのかなと思っていただけると幸いです。
