セラミック矯正は、セラミックで作ったかぶせ物を使って歯並びを整える方法です。セラミック歯の素材は陶材であるため自然で見た目が美しく、汚れがつきにくく丈夫です。
セラミックのかぶせ物をする場合、ご自分の歯を土台とするため小さく削る必要があります。歯を削り、結果的に歯の神経にまで達する場合は、一般的には神経を抜く治療を行います。
実際にご自分の歯を動かすのではなく、希望に沿ったセラミックのかぶせ物をするため、短期間で理想の歯並びを手に入れることが可能です。
初めに
「セラミック矯正と歯列矯正の違いは何？」そんな疑問をお持ちではありませんか？
セラミック矯正と歯列矯正はどちらも歯並びを綺麗に整える治療ですが、内容に大きな違いがあります。
このページではセラミック矯正と歯列矯正の違い、特徴とメリット・デメリットをご紹介いたします。
セラミック矯正と歯列矯正の違いとは？
セラミック矯正と歯列矯正はどちらも歯列を整え、口元と横顔を綺麗に見せることができる方法ですが、全く別物です。
セラミック矯正は審美歯科や一般歯科で行われる治療であり、矯正歯科ではありません。
セラミック矯正はご自分の歯を削って土台を作り、セラミックのかぶせ物をして歯並びを整えます。ご自分の歯を動かさないため、短期間で歯並びを整えることが可能です。
歯列矯正は矯正歯科で行われる治療です。矯正装置を装着してゆっくり歯を動かすため時間はかかりますが、ご自分の歯のまま歯列を整え、かみ合わせを整えることができます。
セラミック矯正とは
セラミック矯正のメリット
- 治療期間が短い
- 矯正器具の装着が不要
- 好きな歯の形、色を選べる
セラミック矯正は歯を動かさないため、短期間で歯並びを整えることが可能です。少ない通院回数で治療を完了できるため、すぐに歯並びを整えたい方に適しています。
また、矯正装置を付ける必要がないため、装着して生活する違和感や痛みなどのストレスを感じることがありません。
セラミック矯正の特徴は、理想とする歯の色や形、大きさを選択できる点です。ホワイトニングでは叶えられない歯の白さを実現することも可能です。
自分好みの歯を手に入れることがでできるため、審美性を追求する治療方法といえます。
セラミック矯正のデメリット
- 健康な歯を削る必要がある
- 歯の神経を抜く場合がある
- かみ合わせを変えることはできない
- 一定期間で作り直しが必要
セラミック矯正ではご自分の歯を土台にしてセラミックのかぶせ物をするため、健康であっても歯を削らなくてはなりません。
歯を小さく削るため、削る面積が広くなると歯の神経に達する場合があり、その際は神経を抜く治療が必要になります。
セラミック矯正では前歯のみを対象とすることがほとんどです。そのため、奥歯のかみ合わせを正すことはできません。
また、セラミックは時間が経つとセラミックと歯ぐきの間に隙間ができます。その場合は新しく作り直す必要があり、永続的に使用できるわけではありません。
削った歯は二度と元に戻りません。歯科医師と十分に相談した上で治療を進めましょう。
歯列矯正とは
歯列矯正とは矯正装置を使用し、歯並びやかみ合わせを改善する治療です。
ご自分の歯をゆっくり動かし、歯並びを整える方法です。歯を動かすには時間を要するため、長い治療期間が必要です。
歯の表面にブラケットと呼ばれる器具を付け、ワイヤーを通すワイヤー矯正や、歯の裏側にブラケットを付ける目立ちにくい裏側矯正、マウスピース矯正などさまざまな治療方法があります。
口腔内の状況や予算に応じて治療方法を選択します。ご自分の歯を整えるので、自然かつ美しく見せることができます。
また、歯列矯正は見た目の美しさだけではなく、かみ合わせの改善ができる点が特徴です。
矯正歯科
歯列矯正のメリット
- ご自分の歯を大切にできる
- かみ合わせが良くなる
- 身体のバランスが整う
歯列矯正では歯を動かして整えるため削る必要がなく、ご自分の歯を大切にできると言えます。歯の根っこから移動するので、重度の歯のでこぼこやかみ合わせを整えることも可能です。
また、歯列矯正はかみ合わせを整えることもできます。咀嚼（食べ物を細かくなるまでよくかむこと）がうまくできるようになります。
しっかり咀嚼できると唾液の分泌が良くなり、食べ物の消化を助けたり唾液の殺菌作用などで虫歯や歯周病を予防したりする効果もあります。
かみ合わせが悪いと、身体のバランスが崩れ肩こりや頭痛などを引き起こすことがあります。かみ合わせを整えることで、こうした不調が改善されることもあります。
歯列矯正のデメリット
- 治療に時間がかかる
- 装置の違和感・痛みがある
- 後戻りする可能性がある
矯正装置を付けることで適切な力を加え、歯の代謝を利用しながら徐々に歯を移動します。歯の動くスピードは1ヵ月に1ミリ程度です。
無理に早く動かそうとすると、歯の根っこや歯を支える周りの組織にダメージを与えてしまいます。そのため、治療完了までに時間が必要です
。
また矯正装置の付け始めは違和感があり、飲食や会話がしづらいことがあります。徐々に慣れてきますが、初めはストレスに感じることもあるでしょう。
歯列矯正治療を終えて矯正装置を外した後、歯が元の位置に戻ろうとして再び歯並びが乱れることがあります。これを後戻りと言います。
そのため矯正装置を外した後は、リテーナー(保定装置)という装置を付けて歯を固定します。
リテーナーを使用する期間は、矯正治療にかかった期間と同じ程度必要です。リテーナーを付けることで、後戻りせず良い歯並びの状態を維持できます。
まとめ
セラミック矯正では美しく見せることを目的に、ご自分の歯を削った土台にセラミックのかぶせ物をして短時間で歯並びを整えます。歯列矯正では歯並びやかみ合わせを改善するため、矯正装置を使用して時間をかけて歯を動かします。
どの矯正方法が自分に合っているのか、歯科医院でご相談してみてはいかがでしょうか。
メリットとデメリットを知り、納得した上で施術することが大切です。
